英語の学習に単語の暗記は欠かせない要素ですね。
ただ前提として、人間は忘却できているから幸せに生きていけるというのは事実です。
つまり忘れることは、生きるための防衛本能。
その力に反して「これは大切なものだ」と脳に刷り込ませていくのですから、苦痛ですし大変なことです。
暗記はつまらないもの、苦しいものと考えられるのもある意味仕方ないかもしれません。
一方で、そうは言っても暗記をすることは勝負であり、より効率よく記憶に残すことができれば、
勝負に勝てたり、試験で結果を残すことができるように、英語力の向上にも大きく寄与することは間違いないです。
暗記や記憶の構造を少しでも理解することで、効率よく単語を覚えられるようになるはずです。
ポイント
この記事で得られること
- 単語の効率的な覚え方がイメージできる
- 単語暗記を効率化させるために普段からできることが分かる
- 難解単語に遭遇したときの突破口のアイディアが得られる
単語暗記の最終的なゴールはイメージ(概念)でとらえること
はじめに、単語暗記の最終的なゴールは、英文に使われている単語を見て・聞いて、
その言葉のもっている概念・イメージを頭に浮かべられることです。
イメージすることとほぼ同じと考えてもらえれば大丈夫です。
英会話にしても、試験にしても、英単語を日本語に変換することなく
(難しい単語などは英語→日本語→イメージの変換速度を速くすることで)
最終的にイメージとして捉えることを目指します。
ですので、普段からまったく使わないような単語は別として、
この最終的なゴールをもった上で、単語暗記を進めていきましょう。
強烈なイメージであればあるほど、「昔覚えたんだけどな」という状態が減っていきます。
超効果的な暗記方法(深く考えずに今すぐこれを実施せよ)
とにかく反復(復習)する
まずはとにかく反復です。
何度も言われていることかもしれませんが、これしかありません。
暗記がダメですという人は、たいてい反復することの怠りが原因だと思っています。
覚えられない単語に対して、どのくらいの頻度で振り返っているでしょうか。
あの東大王出身の伊沢さんも、ある雑誌のコラムで反復(復習)の重要性について語っていました。
彼の場合、エクセルなどを使って、覚えたことや単語を別なタイミングでランダムに表示されるように工夫しながら
何度も反復して記憶定着を行っているようです。
忘れそうなタイミングに思い出すことがポイント
反復するタイミングですが、忘れそうなタイミングで思い出すことで
脳に「これは大切なことだから、覚えておこう」と勘違いさせていきます。
その忘れるタイミングを理論的に説明しているのが「エビングハウスの忘却曲線」です。
出所:東洋経済
忘却曲線の理論によると、時間が経てばたつほど記憶の維持率は低下していき思い出すことが難しくなっていきます。
その前に思い出してあげるということが大切になります。
派生語・類義語などは一緒に覚えてしまう
派生語・類義語は、それ単体で覚えるのではなく、ややこしい派生する単語、類義・類似する単語も一緒に覚えるようにします。
派生語については、天才頭脳を持っている頭脳王・河野玄斗さんも派生語を意識することを推奨しています。
また単語帳を使っていくと、前に同じような意味の単語があったり苦戦しますよね。
そのときには、前に覚えた単語を、今覚えている単語がある近くにメモしておきます。
どの単語とどの単語が同じような意味を持っているのか、常に意識して進めると良いですよ。
このやり方は、対義語も同様に使えるので試してみてください。
単語はフレーズにしてイメージを膨らませる
単語はフレーズで覚えるようにすることをおススメします。
単語単体で覚えることで、どんな場面で使われる単語か分からず
記憶に残りにくく、またイメージにつながりにくくなります。
メモ
関連付けたフレーズ化の例
- 単語:forthcoming(来たるべき)
- 発想:「自分には何かイベントがあったかな?」と考える
- 関連:友達の誕生日パーティが近々行われる
- 例文:I have a forthcoming birthday party for my friend.
メモ
関連付けたフレーズ化の例(単語帳にすでに例文がある場合)
- 単語:hectic(やたら忙しい)
- 例文(原文):The magazine editor leads a very hectic life.
- 関連・転換:「最近やたら自分が忙しい」ということに内容を転換
- 例文:It's been very hectic recently.(最近やたら忙しいなぁ)
超基礎単語(前置詞など)こそイメージすることが最も効率的
最終的なゴールは概念・イメージで持つことだとお話しましたが、
簡単そうでなかなか覚えられない前置詞などは、まさにイメージで覚えるべき基礎単語です。
イングリッシュおさるさんの動画で、前置詞をイメージするためのとても分かりやすい動画がありますので参考まで。
暗記を効率化するために普段からできること
効率よく暗記するためのポイントとして、反復、派生語などのグルーピング、例文を活用したイメージ化などをお話してきましたが、これらは本当に誰にでも当てはまることだと思います。
ただ、普段単語の本を使うのかアプリを使うのか、書きながら覚える方がいいのか見るだけでいいのか、ここらへんの普段の暗記作業の効率は人によって違うと思っています。
そこで、日常的に単語暗記を習慣化させて効率よく単語を覚えるために、それぞれでできることをまとめました。
自分の性格や生活に合った単語帳を作成する
はじめに、自分の生活スタイルや性格にあわせて、何の暗記ツールを使うのが効果的か試してみましょう。
最初から答えはわからないこともあるので、まずは試してみつつ調整していきます。
他人がやっていて効率よいものが自分にも100%当てはまるということは無いですよ。
暗記する時間を固定する
どの時間に単語を暗記するのか、自分の生活の中で決めておきましょう。
毎回毎回「いつやろうかな」と考えること自体パワーがかかるので、
もうその時間になったら自動的に実施するように、習慣を作ります。
このどの時間にできるか、というものも人によって異なるかと思いますが、
1日2回以上は単語に向き合う時間を作りたいところです。
声に出せるときは声に出す(できれば感情込めて)
視覚をつかって頻度高く覚えることで、より多くの単語を学べることは事実です。
物事を記憶するとき、ほとんどの場合視覚情報に頼っていることが多いです。
ただ、英語はスポーツに近いもので、ただ見て覚えるだけではなく、
声に出したり、書いたりすることでより記憶の定着をサポートしてくれます。
特に、どうしても覚えられない難易度の高い単語ほど、見る、声に出すだけではなく、
書く、普段の会話で使ってみるなど、記憶に残りやすいシチュエーションを作っていくことをおススメします。
書いたりすると時間がかかり過ぎしてしまうのであまりおススメしないですが、
ライティングのトレーニングをするのであれば、目的別に使い分けていきましょう。
どうしても覚えられない単語があったときの対処法
最後に、どうしても覚えられない単語に遭遇したときに、いくつかできる工夫をお伝えします。
頻度レベルをマックスに上げる
どんな単語よりも頻度を上げてみましょう。
ふと気づいたらその単語のことを思い起こします。
その思い起こすための仕組みとして、普段何も意識しなくても目に入るところへ貼ってください。
- パソコンの淵
- 携帯の待ち受け
- 玄関やトイレ
- 手帳
あなたが普段から毎日目にするところはどこでしょうか。
記憶に残しやすい工夫をする(単語×場所)
一つ前のどこかに付箋や紙を張るときなどに、貼る場所を工夫してみます。
例えば、トイレに張っておく単語であればトイレに関する単語。
デスク周りに貼っておくものであれば、仕事に関する単語。
最も難易度の高い単語については、携帯の待ち受けなどにするなど工夫をします。
- トイレに貼る単語 → defecation(排便)
汚い
あえてカタカナで覚える
最後の手段として使っているものです。
あえてカタカナで覚えて、無理やりイメージを結び付けるやり方です。
- Repulse(撃退する) → リパルス(ドラクエの呪文のようだ→撃退する魔法だ)
自分なりのストーリーを作ってしまって僕は良いと思っています。
これは参考になるかわかりませんが、個人的には暗記にとても役立っています。
難解単語・普段使わないような単語は割切る
最後に、冒頭で概念化・イメージすることをゴールにしていると言いましたが、
難解単語や普段使わないようなイメージすることが難しいものに遭遇したら、
試験のためなど割り切って覚えるようにします。
割り切った覚え方というのは、無理やりイメージに結びつけるのではなく、
「英語→日本語」の処理スピードを上げられればオーケーということ。
以下のような単語をイメージしようとすることも難しいはずです。
- acquittal(無罪放免)
- duplicity(二枚舌)
- statutory(法定の)
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まとめ
効率的な暗記法という題のタイトルは多いですが、まずは様々な暗記法を試して、自分に合っているものを見つけることが大切です。
効率的にインプットをしていくことは英語に限った話ではないので、自分に合ったものを見つけられれば別で応用が効くと思います。